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2025年12月29日号

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基板/実装/3Dプリンタ

ガーバデータ作成用CADの使い方から試作通販サービスの利用方法,ノイズ対策,高速・高周波信号伝送まで,半導体や電子部品の性能を引き出すプリント基板の設計技術を紹介します.

ZEPマガジン

波長はプリント・パターン上で短くなる
自由空間での波長λ0は光速cと周波数fから求められ,1GHz信号ではλ_0 = 30cm .伝送線路上では電磁界の分布や基板の誘電率の影響で波長が短くなる
プリント・パターンの曲げ方と反射
角を切り落とした曲げのリターン・ロスは直角曲げに比べて全帯域で約10dB改善される
10mm,5mm,2.5mmのマイクロストリップ線路の通過帯域
マイクロストリップ線路は高周波信号を伝送するための代表的な構造.線路の長さLが信号の通過特性に大きく影響する
マイクロストリップ線路はインダクタンスとキャパシタンスで構成されている
マイクロストリップ線路は,高周波では単なる導体パターンではなく,インダクタンスとキャパシタンスが組み合わさった分布定数回路として動作
アンテナ・アレイのビーム・パターンを可視化
アンテナ・アレイのビーム・パターンは,各アンテナ素子の位相と振幅によって決まる
2種類の電流 差動と同相
高周波信号や大電流のスイッチングが混在する環境では,不要な電磁放射が問題になる.注目すべきは「差動モード電流」と「同相モード電流」という2種類の電流が流れること
30kV/cm と覚えよう
標準温度と標準気圧において,空気が絶縁破壊して電気的導体となる電界強度は約30kV/cm.これを超える電界が加わると,空気分子が電離して電子が流れ,放電現象が生じる
間接ESDはリセット信号の直列抵抗で対策
マイクロプロセサのリセット信号は低速でありながら高感度な入力であるため,わずかなノイズで誤動作する.有効な対策は,リセット信号ラインへの直列抵抗の追加
片面より両面有利!サーマル・ビアの熱分散効果
片面基板は,放熱パッドの面積が大きくても裏面に銅箔がないため熱が拡散しにくい.両面基板は,表面の放熱パッドと裏面の銅箔が熱を分散する経路を形成する
放熱フィン数の最適解
ヒートシンクのフィンを増やすことで表面積は増すが,間隔が狭くなると風の流れが阻害され,逆に熱抵抗が増加する
大電力素子の放熱術
目標熱抵抗が1K/W以下の発熱量の大きい大電力デバイスは,ヒートシンクやファンを組み合わせて熱を効率的に外部に逃がす必要がある
基板の熱設計複雑な計算はExcelで
複数の熱源がある基板上での熱分布は各部品の発熱量,表面からの放熱条件に依存し,温度によって放熱率が変わるため,連立方程式を解く必要があり,手計算では解析が困難
放熱設計の第1歩部品単体の熱抵抗管理
熱対策は,まず部品単体の熱抵抗を理解することから始まる.単体熱抵抗とは,部品自身がもつ冷却能力を示す指標
クルマやスマホの筐体放熱術
筐体を熱経路として活用する方法が広く用いられている.放熱経路は部品上面,基板裏面,部品の反転取付の3種類
拡がり熱抵抗と接触熱抵抗に注目
小形部品は,ヒートシンク・ベース上で温度差が生じやすい.ヒートシンク・ベースを厚くしたり,熱伝導性の高い材料を使って拡がり熱抵抗を低減するべき
ICの放熱経路90$%$は基板へ
放熱はトップ面,サイド面,ボトム面の3つの経路に分かれる.自然空冷条件下ではボトム経由で基板に伝わる熱が圧倒的に多くなる
熱伝導シートのいろいろ
熱伝導シートTIMは,柔らかいシート材,液状のギャップ・フィラ,固化タイプの接着材,熱を加えると相変化を起こす材料など多様化している
熱伝導シート選びの基準は「熱伝導率と接触圧力」
発熱部品と放熱板をつなぐ熱伝導シート TIMは,その熱伝導率が大きければ性能がよいと考えがちだが,接触熱抵抗の影響が無視できない
未然に大トラブル回避!電卓でまず計算「全消費÷表面積」
熱対策の最初の確認作業は,基板の面積あたりの発熱密度,すなわち熱流束を計算.計算式は「基板に搭載された部品の総消費電力÷基板の表面積」
熱対策ターゲットの絞り込み
定量的な放熱設計においては,全部品の外形寸法,消費電力,許容温度を把握し,周長や表面積を計算することで,部品ごとの放熱能力を数値化する
高密度時代の熱対策技術
SoCやパワー・マネジメントICなど特定デバイスに発熱が集中する傾向が強まっており,1チップで300Wから400Wを消費するケースもある
強制空冷時の放熱器の包絡体積
強制空冷時の放熱性能はヒートシンクの熱抵抗と包絡体積で評価できる.風速を上げれば必要な包絡体積は小さくなる一方で騒音が増えるため,風速と騒音のトレードオフを理解すべき
間違いだらけの熱伝導シート選び
熱伝導シートは,熱伝導率が高ければよいと考えがちだが,熱抵抗や圧力特性によって実使用時の性能が大きく変わる
冷却能力は熱流束÷熱伝達率
熱設計では,部品温度を直接の設計目標とするのではなく,熱抵抗と熱流束を指標にすることが重要
設計目標は温度ではなく熱抵抗
熱設計に必要な条件は,許容温度,周囲温度,発熱量の3つ.これらを1つの値としてまとめたときに得られるのが目標熱抵抗
初歩のヒートシンク設計 3つの熱抵抗を決める
ヒートシンクの設計を考えるときに重要なのは温度そのものではなく,目標熱抵抗を明確にすること
放熱設計=熱抵抗設計
1701年にニュートンが提唱したニュートンの冷却法則は,物体が周囲に放出する熱量が温度差に比例するという経験式
リボン・ケーブルの放射電界強度
平行なリボン・ケーブルに意図的にグラウンドを追加すると不平衡が上がり放射が低減される
コモン・モード電圧の発生メカニズム
マイクロストリップ線路とツイスト・ペア線の結合部に生じる同相電圧は,差動モード電圧にインターフェース部での両線路の不平衡率の変化を乗じたもの
差動が同相に変換される1つの条件
ディファレンシャル・モード信号がコモン・モードに変換されるのは,伝送線路の電気的な平衡度が変化した場合に限る
誘電体の厚みと特性インピーダンス
基板材の比誘電率が高いほど,同じ配線構造でもインピーダンスは低くなる.信号伝搬速度や反射特性にも影響がある
偶数次と奇数次の比較でわかる!ノイズ放射源の推定
クロック周波数の偶数次高調波が奇数次よりも強く現れる場合,電源バスを流れるCMOS貫通電流が主な原因
電圧の遷移が速いほど高調波が大きい
ディジタル信号の遷移時間が短いほど高周波成分が強調され,高調波の振幅が大きくなる.10MHz,振幅3.3Vの場合,第5次高調波の実効値は数百mV程度になる
ディジタル信号の高調波レベル計算
高調波のレベルの理解は基板のEMI対策に直結する.たとえば,振幅3.3Vのクロック信号の第1次高調波の振幅は,3.3Vに対しておよそ3分の2の約2.1V
セラミック・キャパシタのESLの正しい理解
ESLはキャパシタ単体の固有値ではなく,キャパシタが接続される回路構成や電流ループによって大きく変化する
基板が薄いならパスコンは位置より量が重要
電源層とGND層の間隔が小さい基板では,各キャパシタの位置精度はそれほど影響を与えない.重要なのは,大電流を引き出すIC付近に十分な数を配置すること
高周波の磁界は銅配線に浸透する?
銅のように導電率が高い材料ほど,入射磁界を打ち消す渦電流と逆向きの磁界が生じるため,銅板や銅配線の内部には磁界が浸透しにくい
並走2線間の容量と基板の厚み
相互キャパシタンスの減少は,容量性クロストークの低減に直結する.容量性クロストークは$C_{12}$に比例するため,基板厚を小さくすることで信号干渉を抑制できる
往路電流と復路電流がつくる磁界
往路と復路の両者がそろってはじめて電流ループが閉じ,その周囲に磁界が生じる.往路と復路の配置は,磁界強度や放射ノイズの大小に直接関係する
高速信号-裏面グラウンド間の電界に着目せよ
電界が強いほど基板内の寄生容量が増し,不要な結合やクロストークが生じる.高速信号を配線するときは,信号線の高さを無闇に下げすぎないようにする
差動と同相 電流は2種類
ディファレンシャル・モード電流とコモン・モード電流を区別して理解することが,不要なノイズを抑える基板設計の必須事項
PLLのC/Nと超低雑音LDO LT3045
PLLのVCOに供給する電源の品質はそのままキャリア・ツー・ノイズ比(C/N)へ影響を与える
ADF5336 vs ADF4372ミリ波PLLシンセのC/N
ミリ波PLLシンセサイザの内蔵VCOの感度や周波数設定によるC/Nの差異は,EVMや通信性能に直接影響する
ミリ波PLLシンセ ADF4372の使い方
ADF4372は,4GHzから8GHzまでの広帯域VCOを内蔵したPLLシンセサイザIC.外付け回路が非常に少なく,シンプルな構成で高周波の信号生成が可能
周波数2倍で6dB悪化!ミリ波用PLLのC/N
周波数の上昇によるC/N悪化は,位相変調の性能に直結し,悪化した位相雑音は信号品質の低下や復調性能の悪影響を招く
アナログ直交ミキサの弱点ローカル信号の漏れ
アナログI/Qミキサは信号を$I$と$Q$の2成分に分けて処理するため,$I$側のゲインが大きく,$Q$が小さいといった直交性が崩れが発生しがちで,変換後に不要なイメージ成分が残る
直交ミキサの2方式 ゼロIFとLow IF
無線通信やSDRの直交ミキサには,Low IF方式とゼロIF方式がある.ゼロIF方式はベースバンド信号の帯域が半分で済む
直交IF変調ADMV1013の動作
アナログ直交変調IC ADMV1013は,IF入力とベースバンド入力の切り替え機能を備え,動作帯域は0.8GHzから6GHzと広い.4段階の内蔵フィルタでスプリアスを抑制できる
直交IF復調ADMV1014の動作
直交復調IC ADMV1014を用いることで,広帯域での低エラー・レート通信が可能になる.RFレベルの自動補償が可能なため,AGCも不要
ミリ波伝送線路コプレーナの設計
上下方向にもグラウンド層をもつ複合型コプレーナは,高周波デバイスとの接続がしやすく,またコネクタ実装時の電気的安定性を確保する上でも有利
高分離度&低ロス!1.6G~11GHzパワー・ディバイダ
ウィルキンソン・ディバイダは,高周波信号を2つに分配するマイクロ波回路.入力信号は等分に分配され,各出力ポートには約-3dBのパワーが到達する
数十kHzの低周波電磁界 3相モータ・インバータの場合
PWMによる駆動においても,三相ラインを個別にシールドするのではなく,空間的に一体化した構造でのシールドが望ましい
10Gbps信号の電磁界空間放射
直線的な配線では放射が少なく抑えられる傾向があるが,配線を屈曲させた構造にすると,共振やアンテナ作用により放射が増す
差動信号はスリットを上手に超える
スリット部を通過する際,差動伝送を用いると,信号の一部はスリット側に逃げるものの,大部分のエネルギは減衰せずに伝送される
キャパシタでスリット超え リターン経路は絶対確保
スリットによるリターン経路の断絶は,近傍にキャパシタを配置することである程度補うことが可能
高速信号のスリットまたぎ
高速信号ならスリットをうまく通過できるように見えるが,実際は信号のエネルギの一部がスリット方向に流出する
30Gbps/0.03ns!超高速パルスの波形観測
直流と異なり,高周波のリターン電流は伝送路全体を経由するのではなく,信号の進行に伴って同方向に進む
JESD伝送路の設計基礎と差動伝送
JESDインターフェースの評価試験は,FPGAや各種ソフトウェアに組み込まれたサポート機能を用いて実施する
JESDトランシーバの評価法
FPGAの開発環境に組み込まれているアイ・パターン観測用ツールを利用することで,実機での評価を補完し,より詳細な解析が可能
FR4基板とストリップ線路の特性
10Gbps以上の高速信号では,-5dBまで損失が増すため信号品質が規格を満たさない可能性がある
JESD204におけるリターン・ロスの意味と役割
リターン・ロスが大きいほど入力信号が反射せずに伝送されていることを意味する.理想は,S11はゼロ,リターン・ロスはマイナス無限大
高速シリアル・インターフェースの評価指標「アイ・パターン」
Sパラメータで表されるS21の挿入損失,ケーブルによる周波数依存性のロス,信号の反射によるひずみは,信号のタイミングに影響し,ビット・エラーの原因になる
JESD204における伝送路ロスと波形補正の重要性
Sパラメータで表される$S_{21}$の挿入損失,ケーブルによる周波数依存性のロス,信号の反射によるひずみは,信号のタイミングに影響し,ビット・エラーの原因になる
CMLとLVDSの送信回路の共通点と違い
高速A-Dコンバータの送信回路の代表は,CML(Current Mode Logic)とLVDS(Low Voltage Differential Signaling).両者は,高速性と低ノイズ特性を備える差動伝送方式
JESD204通信における専用線の役割
JESD204の通信では,データ転送に使用される信号線とは別に,制御や同期のための専用線が存在する
JESD204のレーン構成と信号方向
JESD204は,A-Dコンバータの高速化と高精度化の要求に対応するシリアル通信規格.特にJESD204BやJESD204Cが広く用いられている
LVDSからJESD204BCまで!高速ADC I/Fの伝送速度
高速A-Dコンバータを用いれば,ミキシングや波形合成などのRF信号処理もディジタル領域で実行でき,アナログ回路の温度による特性変化や経年劣化を克服できる
A-D/D-Aコンバータとディジタル処理系の接続課題
12ビット/100MspsのA-Dコンバータが通信に要する通信容量1.2Gbpsを確実に受け渡すためには,信号の整合性や同期精度に優れた高速インターフェースが必要
高速A-D変換を支えるシリアル・インターフェース JESD204C
高速信号処理システム実現にはA-DコンバータとFPGA間の通信速度向上が欠かせない.JESD204Cは1レーンあたり最大32Gbpsの伝送速度を実現する
高速伝送向け基板材といえばPPE/Rogers/テフロン
PPEはFR4よりも低い比誘電率と誘電正接をもちロスが小さい.加工性や耐熱性に優れ,テフロンに近い電気特性をもちながらコストを抑えている
高速伝送にパラレルよりシリアルが向く理由
データをパラレルで伝送すれば,より多くのビットを一度に送れる.しかし,一番遅く到達するビットにタイミングを合わせて,読み込む必要がある
Gbps伝送には低tanδ材
通信速度を高める鍵はデータ間のタイミング合わせ.プリント基板の基本性能「比誘電率」と「誘電正接」に着目
14Gbpsインターフェース JESD204Bの実装
JESD204Bは最大14Gbpsに達する高速伝送対応のシリアル・インターフェース.基板の設計には高い信号整合性とノイズ対策が求められる
1pAを測るなら Rogers基板を採用
エレクトロメータやTIAといった高インピーダンス回路など,1pA以下の超微小電流を測るためには基板材料の選定が重要
部品内蔵型基板は2種類ある
内蔵基板は2種類.1つはリアルな個別抵抗やキャパシタなどのチップ部品を物理的に埋め込む方式,もう1つは部品機能自体を基板構造の中で再現する方式
ビアにレジストはNG
ビアの処理は,プリント基板の長期的な信頼性に直結する.中途半端なレジスト被覆は避け,完全な貫通か埋め処理のどちらかに統一すべき
正しい「絶縁」信頼性の試験
絶縁信頼性の評価には,温湿度環境での加速試験や電圧印加が有効.評価対象となるクーポンの選定や設計構造に応じた層別試験を行うことで,基板全体の絶縁品質を適切に判断できる
正しい「導通」信頼性の試験
「導通性テスト」は,初期検査だけでなく,長期的な安定性を見据えた試験が必要.経年劣化を短期間で再現する熱衝撃試験などの加速試験を行うべき
スルーホール断面に潜む不良
長期信頼性に直結する樹脂ミアやウィッキング,ボイドなど微細な欠陥はスルーホールの断面からわかる
導通と絶縁がプリント基板の信頼性
抵抗値が中途半端な状態や経時変化する現象は,電気検査では検出が難しい.破壊検査によるマイクロレベルの確認が必要
ネット通販に基板を発注
インターネットでプリント基板を発注するときに必要なのはガーバ・データとドリル・データだ.KiCadなどの基板設計ソフトから出力する
外形線データ設計とガーバアウト
KiCadでは,外形線を「Edge.Cut」レイヤに描画する.このレイヤは基板の製造時に使用されるため,正確な設計が求められる
配線データの作成
KiCadを使用してプリント基板を設計するための初期準備として回路図データを読み込み,部品の配置に備える必要がある
回路図の作成
Kicadによる回路図作成では,ERC機能とネット名などの活用によって効率的かつ正確に基板を設計できる.特にネット名は視認性向上やエラー防止に役立つ
回路図シンボルの作成
端子が整理された配置が回路図の可読性に直結する.ライブラリ管理とシンボル設計を正確に行いたい
フットプリントの作成
基板上の寸法制約に対応しつつ、部品配置の正確性と作業効率を両立させるために、グリッド・サイズと原点位置の調整が不可欠
KiCadのダウンロードとインストール
Bluetoothレシーバの定番“BM83”を使って,iPhoneで高音質再生が可能なワイヤレス・スピーカを製作.基板はKiCadを使って製作した
Excel活用のススメ 熱の流れは水に似ている
現代の熱設計は,基板を経由する90%の熱流を適切に制御し,効率的な放熱経路を確保すること
Excel活用のススメ 初めの一歩!熱抵抗による部品の仕分け
基板放熱の可能性は,部品の周長,放熱スペース,基板の熱伝導率によって決まる.目標熱抵抗が低い場合や高発熱部品では,放熱器の使用が不可欠
Excel活用のススメ 自作熱シミュレータ
熱抵抗ネットワークを解く連立方程式をExcelに組み込むことで,実用的な熱シミュレータを作ることができる
高周波センスを磨く!スミス・チャート
スミス・チャートを活用することで,周波数による回路や伝送路のインピーダンスの変化を直感的に把握でき,適切なインピーダンス・マッチングを施すことができる
矩形波は正弦波の合成
ディジタル信号の波形は,基本波と高調波の合成で表現できる.フーリエ級数を利用すると,矩形波の合成が可能であり,Excelを用いたシミュレーションによって伝送波形を予測できる
高周波信号の損失要因3「基板の誘電損失」
FR-4基板の誘電損失は,tan(delta)が0.01程度で,信号減衰が顕著.低誘電率材のMEGTRON7はtan(delta)が0.001~0.002と約1/10と低く,ミリ波通信にも利用できる
高周波信号の損失要因2「表皮効果」
高周波電流が導体の表面に集中する現象「表皮効果」によって,電流が流れる断面積が小さくなり,信号の減衰が増大する問題を引き起こす
高周波信号の損失要因1「DC抵抗」
銅の電気抵抗率は 1.68×10^-8$Omega$m.線路幅0.1mm,箔厚18μm,長さ100mmのストリップ線路のDC抵抗値は約1$Omega$
伝送線路の適材適所
周波数や配線の長さ,差動かシングルエンドか,クロストークを減らしたいのか,減衰を抑えたいのかなど,さまざまな条件によって最適な線路は違う
有限要素法 電磁界シミュレータのしくみ
FEMタイプの電磁界シミュレータは,メッシュ生成や連立方程式の解法に計算資源を多く必要とするため、大規模な問題では計算時間が長くなる。適切なメッシュ設計が重要
ミリ波では「コプレーナ線路」
ミリ波帯では,従来のビアを用いた接続がインダクタンスとして作用し信号品質の低下を招くためコプレーナ線路を利用するのが定石
電磁界の漏が小さい「差動線路」
マイクロストリップ線路では,RF電流が基板表層を流れるため,電界の放射が大きくなり,隣接する伝送線路に影響を与えるクロストークが発生しやすい
電磁波の漏れが少ない伝送線路
高周波基板設計においては電界と電流の関係を理解することが重要.電界は金属の端など尖った部分に集中しやすく,RF電流もその影響を受けやすい
主な伝送路の特性計算式
よく使う同軸/ストリップ線路/マイクロストリップ線路の伝送特性を(1)特性インピーダンス(2)伝搬速度(3)ロス(減衰)で評価し理解することがミリ波システム開発の第一歩
特性インピーダンスの計算
ミリ波帯の信号を扱うときは,伝送線路の物理的な設計,インダクタンスとキャパシタンスの調整,誘電率や透磁率を考慮して,反射の影響を最小限に抑えることが必要
反射が起きる伝送線路の波形
多重反射が続くと反射波と進行波が干渉して,特定の位置で波の振幅が極端に増加したり消失したりする.この定在波の節では信号が消失するので受信回路が動作しなくなる
高周波の世界では「時間」も考える
MEGTRONやRO4000シリーズなど,誘電損失が低く,高周波信号の伝送に優れる基板材料を使うことで,減衰を最小限に抑え安定した通信を実現できる
はじめの一歩「反射」をなくす
ミリ波帯域では,線路/送信回路/受信回路のインピーダンスを精度よく一致させるだけでなく,基板の材料選定が極めて重要
周波数変換アダプタの製作
周波数コンバータ・アダプタを製作すれば,従来の測定器ををミリ波通信システムの評価に利用することができる
伝搬距離をいかに稼ぐか
ミリ波は広帯域通信を可能にするが,伝搬損失やノイズの影響を受けるという課題がある.適切なアンテナ設計や信号処理技術を駆使する必要がある
次世代通信5Gの本命!28GHz帯
通信速度とデータ容量を向上させるミリ波は,電磁波の減衰の激しさや指向性の強さなど課題が多い.ビーム・フォーミングや周波数変換技術を駆使する必要がある
Excel活用のススメ!初めての熱&基板設計
長寿命や高信頼性は価値の証明に欠かせない.半導体や部品の消費電力や発熱量を高精度に見積もり,実装密度の高い基板を作る力こそが競争力の源
損失,共振,反射,skew,ノイズ…
USB TypeCなど,10Gbps超の高速域では信号の波長が短縮される.エラー要因として,信号線路の損失,反射,共振,skew,外来ノイズなどが挙げられる
Sパラ対応シミュレータ QucsStudioで解析
高速信号では,線路間結合「クロストーク」が通信の品質に悪影響を及ぼす.LTspiceにはできないSパラメータ解析対応のSPICE系回路シミュレータ“QucsStudio”で波形シミュレーションを実行
良い例 vs 悪い例 差動信号の引き出し方
10Gbps超の信号を扱うUSB Type-Cコネクタは,SMD実装が基本.しかしリワーク作業性の理由から,信号損失や反射を引き起こす可能性のあるスルーホールが使用されることも多い
KiCad入門 基板の外形線を作る
CADで描く基板の外形線は一筆書きでなければならない.製造エラーにつながらないよう,線データの交差や重複がないか注意深く確認する必要がある
KiCad入門 ドリル・データとExcellonファイル
ドリル・データはプリント基板上のスルーホールやパッドのための穴を開ける工程で使用される.Excellonフォーマットで記述され,穴の位置,サイズ,層情報を含む
写真で丸わかり!プロのはんだ付け&リワーク技術 その3
裏面に放熱用パッドのあるICはリワーク用のヒート・ガンで加熱して取り外すが,ICや基板へのダメージが大きい.軟膏状の硬目のフラックスを塗布してから加熱するのがコツ
写真で丸わかり!プロのはんだ付け&リワーク技術 その2
私の愛用工具を紹介.温度調整機能付きはんだごて:PX-335/PX-338,鉛入りはんだ:鉛60%+錫40%,鉛フリーはんだ:ホーザンφ0.6品,ニッパ:MN-A05ほか
写真で丸わかり!プロのはんだ付け&リワーク技術 その1
はんだの接合原理は「のり」とは根本的に違う.銅の上にはんだ付けすると,錫と銅の間の微小領域に数μmの合金層(拡散層)が生まれ,ミクロな溶接状態が生まれる
放射ノイズの真犯人「コモン・モード電流」
帰路がないコモン・モード電流は空間を伝わって戻るため,大きな電磁波を発生させる.またノーマル・モード電流の10$^8$倍もの強さでノイズを引き起こす
リフロ?手はんだ?フットプリントの作成術
部品のはんだ付けの方法には自動機またははんだこての2つ選択肢があり,各々に適したフットプリントを設計することが重要.0.5mm以上のパッドの露出部分を確保したい
そのシールド要る?コネクタの効果的EMC
コネクタにおける差動信号と同相信号によるノイズの放射は,シールドの有無で大きく違います.この効果の違いをシミュレーション実験で確認します
クロストーク最小化 AIでスピード基板設計
クロストークは,隣接する回路の信号が干渉し合う現象で,差動信号を扱うときの重要課題です.機械学習を活用してこのクロストークが最小になる基板設計技術に注目です
アンプ? or トランス? シングルエンド-差動変換
A-D/D-A変換の入出力や電流計測など,微小な信号の伝送や増幅には,低ひずみ,高S/Nなどメリットの多い差動信号を利用します
要は入力ピン!OPアンプの基板実装法
グラウンド層は良い結果を生むとは限りません.グラウンド層と基板上の回路要素との間に発生する結合容量が大きくなり信号にノイズが乗る可能性が高まります
手遅れになる前の熱流束計算
放熱は,プリント基板の設計初期段階における発熱の見積りが極めて重要です.部品の総消費電力/基板表面積(熱流束)が400W/m$^2$を超えそうなら設計を見直しましょう
初めての3Dプリンタ 種類と選び方
積層精度100μmのホビー用から,積層精度25μmのプロ用まで,3Dプリントの造形方式によって仕上がり精度や対候性が違います.その選び方は?
高速&低エラー!差動線路によるGbps伝送プリント基板設計
USB4 ver2では約39psという短時間で信号が切り替わる.ノイズ対策と安定した通信を両立する鍵「差動線路」の設計には特性インピーダンスと$S$パラメータの理解が不可欠だ
低ノイズなスイッチング電源回路のプリント基板設計
高周波成分を多く含むスイッチング電源回路の脈動電流は回路の誤動作を引き起こす.回避する重要な対策は多層基板のどこにGND層を設定するかだ
高周波でのデカップリング配置は「グローバル」に
電源層とグラウンド層の間隔が0.3mm未満と狭いプリント基板上のキャパシタは「グローバル」に働く.つまり,基板上の全パスコンが全体の電圧変動に共通の役割を果たす
プリント基板を活用したICの放熱技術
現代のICは微細な構造と高密度な集積度をもち,発熱量が増している.信頼性と性能向上のため基板を通じた放熱技術が求められている
昇圧型DC-DCコンバータの電圧変換メカニズム
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